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【解決事例】高齢の伯母に代わって相続登記と抵当権抹消を完了 ― 書類紛失からの解決事例 ―

2026.08.04

1. 状況

今回ご相談に来られたのは、50代の男性でした。ご相談内容は、「父の姉の配偶者(叔父)が10年前に亡くなっており、その名義のままになっている土地と建物がある」というものでした。叔父の生前に住宅ローンは完済していたものの、金融機関から受け取るはずの抵当権抹消書類を紛失してしまっており、長年そのままの状態になっていたそうです。

姉夫婦にはお子様がなく、相続人は配偶者である伯母と、兄弟である依頼者の父の2名のみ。すでに両親は他界しており、伯母も80代後半と高齢で体調も優れないため、依頼者が代理人として動いていました。土地と建物は伯母が現在も生活している自宅であり、今後の名義整理を早めに済ませておきたいという希望から、相続登記と抵当権抹消の手続きを依頼されました。

2. 相続手続きの設計

当初、問題となっていたのは抵当権抹消登記に必要な「登記済証」や「解除証書」などの関係書類が一切手元にないという点でした。

そこで、まずは金融機関に照会を行い、弁済済みであることを確認。抹消登記に必要な書類を再発行できるかを交渉しました。伯母自身が窓口に出向くのは難しかったため、司法書士事務所が代理人として再発行手続きを進めることができるよう、委任状を作成し、公的証明書類を整備。金融機関との調整を行い、無事に再発行を受けることができました。

その後、相続登記の準備に移りました。相続人である伯母と依頼者の父との間で遺産分割協議を行い、対象不動産(宅地2筆、建物1棟)をすべて伯母単独の名義にすることで合意。伯母が引き続き安心して生活できるよう、名義整理を円滑に進めました。司法書士が登記申請を行い、約2週間後に登記簿上でも正式に伯母名義となりました。

3. 相続手続きを行うメリット

今回の手続きを通じて得られた最大の効果は、「名義と権利関係の明確化」にあります。長期間放置されていた不動産でも、正しい手続きを踏めば確実に整理が可能であるということを実感されたとのことです。

また、抵当権抹消を同時に行ったことで、将来的な売却や贈与の際に障害となる要素を完全に取り除くことができました。もしこのまま放置していた場合、伯母の死後にさらに相続人が増え、手続きが複雑化するおそれがありました。早めの対応により、次世代への引き継ぎ準備も整ったといえます。

実際の手続きの流れとしては、

  • ① 金融機関への照会と必要書類の再発行依頼
  • ② 委任状および公的書類の整備
  • ③ 相続関係の確定(戸籍調査と相続人の確認)
  • ④ 遺産分割協議書の作成
  • ⑤ 相続登記・抵当権抹消登記の申請

という段階を経て、すべての登記が完了しました。

依頼者からは「高齢の伯母に負担をかけずに、手続きをすべて任せられて助かった」「これで安心して今後のことを考えられる」と感謝の言葉をいただきました。

4. まとめ

本件は、長期間放置された名義や書類紛失といった複雑な状況でも、専門家が関与することでスムーズに解決できた好例です。特に高齢の相続人が関係する場合、書類の取得や金融機関とのやりとりは代理人に任せることで大幅に負担を軽減できます。

相続登記の義務化(令和6年4月施行)により、今後こうしたケースでは迅速な対応が求められます。「名義がそのまま」「書類が見当たらない」といった場合でも、早めに相談することで、不要なトラブルを防ぐことができます。

メッセージ:
相続は「いつかやらなければ」と思いながら後回しになりがちですが、放置すればするほど複雑になります。今回のように、関係者が元気なうちに整理を進めることが、将来の安心につながります。書類が見つからない、名義が古いなど、どんな小さなことでも専門家に相談してみてください。必ず解決の道があります。

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この記事を担当の執筆者
サンセントラル司法書士法人 代表 中山 学史
保有資格司法書士
専門分野相続、信託
経歴明治大学法学部卒業。平成24年司法書士試験合格。司法書士事務所勤務を経て、平成25年司法書士事務所開設。遺言書の作成や相続問題に精通した弁護士、税理士などの専門家とネットワークを構築し、不動産相続案件を専門に活動している。  最近は民事信託を活用した相続対策を行っている。 「身内の相続で揉めない悔やまない50の処方箋」(中央経済社)を共同で執筆。
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