相続手続きは専門家に依頼するべき?各専門家の役割と司法書士への依頼のメリットを徹底解説
相続手続きは大切な方がなくなった悲しみの中、数多くの手続きを進めなければならず、手間も負担もがかかるものです。
相続手続きは自分で進めることもできますが、各手続きには期限や厳しいルールなどがありますので、専門家に依頼する方が無難です。
ここでは、どこに依頼できるのか、依頼可能な内容、そして費用相場について詳しく説明します。
相続手続きの基本的な流れ
まず、相続手続きの流れを解説します。
遺言書の確認
平成元年以降に作成された公正証書遺言は、全国の公証役場で検索できます。
相続人の調査
役所から戸籍謄本等を取り寄せて相続人を確認します。
相続財産の調査
被相続人が残した財産をすべて洗い出します。
相続放棄・限定承認(3か月以内)
負債を引き継ぎたくない場合、もしくは他の相続人と関わりたくない、などで財産の相続を放棄する場合は、「相続放棄」や「限定承認」を選択します。
準確定申告(4か月以内)
被相続人の確定申告が必要な場合は、申告を行います。
遺産分割協議
相続人同士で遺産分割について話し合い、合意内容を遺産分割協議書にまとめます。
名義変更
預貯金、有価証券、不動産、自動車などの名義を変更します。
相続税の申告・納税(10か月以内)
相続税が発生する場合、10か月以内に申告と納税を行います。
相続手続きは専門家に依頼することがおすすめ
親しい方を亡くした後、葬儀や法要、役所への届出など、すぐに対処しなければならないことが数多くあります。
さらに相続が発生した場合、同時に相続手続きを進める必要がありますが、これらには期限があるものも多いため、早急に取り掛かる必要があります。
こうした手続きを進めるのは、精神的にも肉体的にも大きな負担となることが少なくありません。このような時には、相続の専門家による代行サービスを利用するのが賢明です。
司法書士であれば、相続手続きを丸ごと対応するプラン、不動産の名義変更のみを対応するプランがあります。
税理士の場合は、相続手続きを全て代行するプランと、相続税申告と相続税申告に必要な手続きのみを実施するプランなどを用意していることが多いです。
このように、各士業でお客様のご状況にあったサポートをしている事務所がおおいですので、一度専門家に相談することが重要です。
相続手続き代行を依頼できる専門家
相続に関する専門家としては、司法書士、税理士、行政書士、弁護士、銀行などが挙げられます。
それぞれが得意とする分野は異なりますが、相続手続き全般を一括して任せるなら、司法書士が適任です。次に、各専門家が担う業務内容について見ていきましょう。
各専門家の業務範囲
司法書士
不動産の名義変更をはじめ、相続手続き全般の一括代行が可能です。
行政書士
遺産分割協議書の作成や相続財産の調査を行います。
税理士
相続税の申告を担当します。
弁護士
相続人間でのトラブルがある場合、遺産分割の交渉や裁判を行います。
銀行
各専門家への窓口として相続手続きをスムーズに進めるサポートを行います。
各士業事務所の役割
司法書士が対応可能な相続手続き
司法書士は、法務局や裁判所、検察庁などに提出する書類を作成する専門家です。
相続に関する業務では、不動産の名義変更手続き(相続登記)や遺産分割協議書など、相続手続きに必要な書類の作成を担当します。
不動産の名義変更手続きは司法書士のみが行えるため、不動産が相続財産に含まれる場合は、司法書士に依頼することが望ましいでしょう。
また、遺産分割協議書の作成、相続人調査や相続財産調査、遺言書の作成・検認、相続放棄などの手続きも司法書士が代行します。
司法書士への依頼が適しているケース
・ 相続財産に不動産が含まれている
・ 相続人間でトラブルがない
・ 相続人が多く、手続きが複雑である
・ 遺産分割協議を自分たちで進めたい
・ 相続放棄をしたい
・ 次の相続(二次相続)対策も考慮したい
・ 行政書士が対応可能な相続手続き
不動産の名義変更(相続登記)は司法書士の独占業務です。
相続財産に不動産が含まれる場合は司法書士に相談しましょう。
行政書士への依頼が適しているケース
・ 相続財産に不動産が含まれていない
・ 相続人間で争いがない
・ 遺言書の検認が不要である
・ 税理士が対応可能な相続手続き
行政書士は、官公署への書類提出や、権利義務に関する書類の作成を行う専門家です。
相続に関しては、金融機関での手続き、遺産分割協議書の作成、相続人調査や相続財産調査などが主な業務です。また、相続関係図や遺言書の作成も行いますが、遺言書の検認は行えません。
行政書士にしかできない業務はありませんが、費用が比較的抑えられる点がメリットです。
税理士への依頼が適しているケース
・ 評価が難しい土地が相続財産に含まれている
・ 遺産の額が大きい
・ 準確定申告が必要である
税理士は、確定申告や税務コンサルタント、節税対策を行う税の専門家です。
相続税の申告、不動産評価などの相続税対策や準確定申告は税理士のみが対応できます。特に評価が難しい土地を相続する場合は、経験豊富な税理士に相談するのが望ましいです。
弁護士への依頼が適しているケース
弁護士は法律の専門家であり、相続に関する業務では、相続税の申告を除くほとんどの業務に対応できます。
特に相続に関するトラブルや、遺産分割をめぐる紛争の解決は弁護士のみが行える業務です。
遺産分割に争いがある場合は、相続人の代理として交渉を進めます。交渉がまとまらない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停や審判の手続きを行います。
銀行への依頼が適しているケース
・ 遺産分割調停を申立てたい
・ 審判の代理をしてほしい
・ 遺言書の有効性について争いがある
・ 銀行が対応可能な相続手続き
銀行や信託銀行では、相続に関する相談窓口を設けており、相続手続き全般の支援や代行を行っているところもあります。
銀行は法的な相続手続き業務を行うことができないため、各専門士業に外注し、手続き全体をスムーズに進めるためのサポートを提供します。
しかし、多くの作業が外注となるため、費用は他の専門家に依頼するよりも高くなる傾向があります。相続トラブルがない場合は、相続手続き全般を一括して任せられる司法書士が適しています。
主な相続手続きと代行費用の相場
ここでは、主要な相続手続きを専門家に依頼した場合の費用相場を紹介します。
司法書士事務所などでは、複数の手続きをまとめて行うパッケージプランが用意されていることが多く、個別に依頼するよりも安くなる場合があります。
遺言書作成
財産の分配を生前に指定する書類を作成します。相続財産額に応じで費用が変わることが一般的ですが、費用相場は10~30万円です。
また公正証書遺言の場合は別途公証人手数料が必要です。
遺産分割協議書作成
遺言書がない場合、相続人同士で話し合った内容を記録する書類を作成します。費用相場は5~10万円です。
不動産の名義変更
不動産の相続登記を行います。費用相場は10万円~15万円で、別途登録免許税が必要です。
預貯金・株式の名義変更
凍結された口座の名義変更を行います。費用相場は5~10万円前後です。
車・バイクの名義変更
相続人名義に変更する手続きを行います。費用相場は2~5万円前後です。
基本的に行政書士が対応することが多いです。
戸籍・住民票の収集
被相続人や相続人の戸籍謄本・住民票を収集します。費用相場は2~5万円です。
相続関係図の作成
相続人の関係を示す書類を作成します。費用相場は2~5万円です。
相続税の申告
相続税の申告書作成を行います。費用相場は遺産総額の1.0%~2.0%程度です。
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