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財産管理委任契約

法定後見制度は、判断能力の減退があった場合に利用できるものであり、任意後見制度は、事前に契約があった場合でもやはり判断能力の減退があり、さらには家庭裁判所により任意後見監督人が選任されて初めて効力が生じます。

財産管理委任契約は、家庭裁判所の関与を必要とせずに、今すぐ財産管理を開始してもらいたい場合に有効な方法です。

財産管理委任契約の特徴は、
●当事者間の合意のみで効力が生じる
●内容を自由に定めることが出来る

ということでしょう。

財産管理委任契約のメリット

・判断能力が不十分とはいえない場合でも利用できる

・開始時期や内容を自由に決められる

・本人の判断能力が減退しても、契約は当然に終了せず、特約で死後の処理を委任することも可能

財産管理委任契約のデメリット

・任意後見契約と異なり、公正証書が作成されるわけではなく、後見登記もされないため、社会的信用が十分とはいえない

・任意後見制度における任意後見監督人のような公的監督者がいないため、委任された人をチェックすることが難しい

・成年後見制度のような取消権はない

以上のことをしっかりとおさえたうえで、財産管理委任契約を導入するか検討しましょう。

この記事を担当の執筆者
サンセントラル司法書士法人 代表 中山 学史
保有資格司法書士
専門分野相続、信託
経歴明治大学法学部卒業。平成24年司法書士試験合格。司法書士事務所勤務を経て、平成25年司法書士事務所開設。遺言書の作成や相続問題に精通した弁護士、税理士などの専門家とネットワークを構築し、不動産相続案件を専門に活動している。  最近は民事信託を活用した相続対策を行っている。 「身内の相続で揉めない悔やまない50の処方箋」(中央経済社)を共同で執筆。
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