特別寄与の制度について
特別寄与の制度について
相続人以外の人で、生前、被相続人の身の回りの世話や介護をしていた人物が、金銭を受け取ることができるようになります。
制度の内容について解説します。
特別寄与の制度(2019年7月1日施行)
介護などを行った場合に、相続人以外でも寄与分を請求できるようになりました。
改正前
共同相続人が、 被相続人の事業に関する労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法によって被相続人の財産の維持・管理について特別の寄与をしたときは、共同相続人の協議または家庭裁判所の決定により、寄与分を加えた額をその者の相続分とします。(民法904条の2/寄与分)
改正後
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務提供をしたことにより、被相続人の財産の維持・増加について特別の寄与をした被相続人の親族(=「特別寄与者」)は、相続の開始後、相続人に対し、寄与に応じた額の金銭(=「特別寄与料」)の支払いを請求することができます。(民法1050条1項)
当事者間に協議が調わない・協議をすることができないときは、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求することができます(特別寄与者が相続の開始及び相続人を知ったときから6箇月以内 または 相続開始から1年以内)。
この記事を担当の執筆者
サンセントラル司法書士法人
代表
中山 学史
保有資格司法書士
専門分野相続、信託
経歴明治大学法学部卒業。平成24年司法書士試験合格。司法書士事務所勤務を経て、平成25年司法書士事務所開設。遺言書の作成や相続問題に精通した弁護士、税理士などの専門家とネットワークを構築し、不動産相続案件を専門に活動している。 最近は民事信託を活用した相続対策を行っている。 「身内の相続で揉めない悔やまない50の処方箋」(中央経済社)を共同で執筆。